土地改良区とは
土地改良区は、農業生産を行う上で欠かせない用排水施設の整備・管理や農地の整備、いわゆる土地改良事業を目的として設立された農家の人達の組織です。この土地改良区は全国に約7,000あり、関係する農家は約300万人、関係する農地は一部重複もありますが約300万haにも及んでいます。
具体的な活動としては、農業を営む上で必要な用水を確保するための水源の確保や用水路の整備・管理、農地や地域の雨水、集落からの排水などを安全かつ確実に排除するための排水路の整備・管理を行うとともに水田や畑地の整備などを行っています。ちなみに、こうして整備された農業用用水路の延長は40万km(ほぼ、地球を10周)にも達します。人間に例えると体中に張り巡らされている血管といったところです。
土地改良区は、日頃から水の利用効率を高めるために草取りや水路に堆積した土砂の排除などの清掃に日常的にとりくんでいます。しかし、農村では高齢化や非農家・兼業化により混住化が進み、「地域の水」「みんなの水」を守ることが難しくなっています。
一方、「21世紀は水の時代」といわれています。私たちが生きていくためには地域の健全な水循環が欠かせません。土地改良区は、行政と住民の間にあって国民の財産とも言える農地や農業用水を守り育て、「地域の水循環」に貢献するとともに、豊かな地域資源を次世代に引き継ぐ重要な役割を担っています。